本日もアイボンドブログをご覧いただきまして誠に有り難うございます。
昨日は敬老の日。国民の祝日に関する法律によれば、「多年にわたり社会につくしてきた老人を敬愛し、長寿を祝う」ことを趣旨としています。敬老の日にちなみ、総務省統計局は『統計からみた我が国の高齢者』を公表しました。総人口(2021年9月15日現在推計)は前年に比べて51万人減少している一方、65歳以上の高齢者人口は3640万人で、前年(3618万人)に比べて22万人増加し、過去最多となっています。総人口に占める割合は29.1%と、前年(28.8%)に比べて0.3ポイント上昇し、こちらも過去最高となりました。人生100年時代を迎え、長生きリスクも顕在化しており、快適な老後のための備えは欠かせません。
その備えの最有力候補は公的年金ですが、厚生年金制度は前身となる制度が第2次世界大戦下の1941年に初めて法制化されてから既に80年が経過しました。また、国民皆年金を目指して導入された国民年金制度も、1959年の法律制定から60年以上が経過し、この間に1985年改正での基礎年金制度導入、2004年改正でのマクロ経済スライド導入といった数多くの制度改正がなされています。年金制度は現役世代が退職世代を支える社会的扶養を制度化したものであり、高齢化の進展に伴う給付と負担の適正化、女性や高齢者の就業率の上昇に見合った被保険者要件の設定など、社会の変化に適合することで制度を長期的に持続可能なものになるよう、絶えず調整を続けていかなければなりません。
同じ社会保険でも医療保険や介護保険は短期保険に分類されるのに対し、年金保険は長期保険とされています。年金制度では特に老齢年金において顕著なように、給付期間が数十年にわたることも珍しくありません。年金制度は国民一人ひとりと実施主体である国との間に極めて長期の関係が構築されるという点において特徴的な社会制度です。保険料の拠出時点と実際に給付を受ける時点が時間的に離れていると、特に現役世代には制度の意義を感じる機会は限られ、公的年金に疑念を抱くことにつながってしまいます。ただ、長期保険である年金制度では、制度の持続性を高めるために社会変化に柔軟に対応することはあっても、老齢・障害・死亡という人生におけるリスクに備えて所得保障を確実におこなうという役割は、いつの時代でも変わりません。
昨年の通常国会では、より長く、多様な形となる就労の変化を反映して、長期化する高齢期の生活基盤充実を目指す年金制度改正法が成立しました。この法律では被用者保険の適用拡大や繰り下げ受給の柔軟化、在職老齢年金の見直しなど、高齢化や働き方の変化といった近年の社会変化に年金制度を適合させるための制度変更が盛り込まれています。
年金制度の長い歴史のなかで、先人たちが多くの苦労を乗り越えて守り抜いてきたものを次世代に引き継いでいくことは、現代を生きる大人たちの使命といっても過言ではありません。長期保険の所得保障制度としての年金制度が期待されている役割を十分に果たすことで、信頼感のある永続的な仕組みとなるよう、これからも問題点の分析をおこない、改善がなされていくことが求められています。
とはいえ、例えば、一民間企業である弊社が公的年金の制度改正に関与できる場面はないに等しく、そうであれば、公的年金を補完するものをつくりあげていく方が得策です。弊社では2004年からマリオンボンドの運用をはじめました。皆様の快適な老後生活に役立つであろう商品・サービスの提供に今後も努めて参ります。