本日も弊社ホームページをご覧いただきまして誠に有り難うございます。
暦の上では間もなく秋を迎えますが(今年の立秋は8月8日)、暑さはまだまだ続きます。皆様も体調を崩されることなどありませぬよう、十分ご留意下さい。
体調不良で薬局に出かけ、薬を購入する際、レジ袋に入った状態でわたされることも少なくありません。6月末に大阪でおこなわれたG20では環境問題が喫緊の課題とされ、レジ袋などプラスチックごみの海洋投棄はすべての国が対応しなければならない旨の首脳宣言が出されました。近年、日本でもレジ袋を有料にしているお店も散見され、いずれは法令で無料配布が禁止されていくことになりそうですが、できればそもそも使用しないに越したことはありません。
ここで事例として、すばる調剤薬局(茨城県守谷市)を紹介します。従業員10人未満の小さな薬局ですが、レジ袋削減活動に関する宣言を出し、取り組みをすすめているところです。すばる調剤薬局では、知り合いからプラスチック汚染の話を聞いたことをきっかけに、まずはニュースや新聞でプラスチック問題に関して調べはじめたそうです。日本でも海洋にプラスチックが大量に流出していることを知り、将来的に人間にも被害が出るのではないかと危機感をもちました。自分たちでも何かするべきであると考え、薬局で配っているレジ袋の削減活動をはじめています。これまで薬をわたす際には、多くの薬局がそうしているように、紙の袋に入れてからレジ袋に入れていました。対策前の状況を把握するため、薬局が開局した2012年から昨年7月までに使用したレジ袋の総数を調べたところ、14万1424枚だったとか。昨年8月下旬から実際におこっている取り組みは、ホームページでレジ袋を2020年までに半減することを宣言、具体的な活動内容として患者さんへの声かけ・ポスターでの啓発、レジ袋削減で浮いたコストは社会的によい活動をおこなっている団体へ寄付する、の3つです。
このうち、患者さんへの声かけ・ポスターでの啓発を実際におこなったところ、最初はなかなか効果が表れませんでした。ところが、ポスターに記載されているある文言を変えただけで、劇的に効果が上がったそうです。当初の文言は、「レジ袋が必要ない方はお申し出ください。」でしたが、これを、「レジ袋が必要の方はお申し出ください。」に変更しました。「必要ない方」を「必要の方」に変えただけで、実に82%の削減に成功しています。これは行動経済学の分野ですすめられている研究にもつながるものですが、人間には、わざわざ現状を変えるより、その維持を選ぶ現状維持バイアスがあるので、最初の状態をそのまま受け入れる傾向が強いようです。つまり人間の行動を変えたいのであれば、選んでほしい選択肢を最初の状態にしておく必要があります。これは強制することなく人々の行動を変える手法のひとつです。「レジ袋が必要ない方はお申し出ください。」というとき、申し出なければ(現状を変えなければ)レジ袋をもらうことになります。一方、「レジ袋が必要の方はお申し出ください。」というとき、レジ袋をもらわないことが現状維持です。すばる調剤薬局では顧客からの苦情もなく、大幅にレジ袋を削減することに成功しています。
さて、弊社でもこうした事例を参考にしながら、商品・サービスを世間に知らしめて参ります。当然ながら、質を伴うものでなければ、文言や見せ方だけで長続きはしません。時世を捉えた商品・サービスをより多くの方々に提供し続けることができるよう、多面的な視野をもって日々の事業活動に取り組んで参ります。