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早いもので、今年も残すところあとわずか。皆様にとりまして、どのような一年となりましたでしょうか。
社会正義を実現する経済システムを目指す、世界的なネットワークであるWEALLから、今年10月末、新たなハッピー・プラネット・インデックス(HPI)のランキングが公表されました。HPIは限られた環境資源を使って、各国がいかにうまく人々の幸福をつくり出しているかを明らかにするための指標です。幸福(人生の満足度)と平均寿命(健康)を掛け合わせたものをエコロジカル・フットプリント(人間の活動が環境に与える負荷を資源の再生及び廃棄物の浄化に必要な面積として示した数値)で割ることで測定されています。
今回のランキングでは、コスタリカが4回目となる首位を獲得しました。2位はバヌアツ、3位はコロンビアです。一方、米国は幸福とエコロジカル・フットプリントの順位が低く、152ヶ国中122位と、G7加盟国で最下位となっています。そして日本は57位という結果でした。ある専門家がWEALLからの依頼を受け、日本のHPIの特徴を解説していますので、その内容を少しご紹介します。
幸福(人生の満足度):ここ数年では一番高い数値でした。コロナ禍ではあるものの、特に環境問題への関心が高い層の幸福度が上がったようです。環境問題が取り上げられる機会が増え、これまで関心が薄かった人々も、徐々に真剣に考えはじめているという姿勢が、関心の高い層に伝わったからかもしれません。
平均寿命(健康):日本は長寿国として知られています。国連開発計画(UNDP)の人間開発報告書(2020)によると、日本の平均寿命は香港に次いで2位という結果です。
エコロジカル・フットプリント:コロナ禍による経済活動低下の影響を差し引く必要はあるものの、昨年のエコロジカル・フットプリントは前年に比べて下がっており、改善しました。今後に向けて期待のもてる動きとしては、昨年、政府もようやく2050年カーボンニュートラルを公表し、企業の取り組みが加速していることです。また、2050年までに二酸化炭素排出量を実質ゼロにすることを表明している自治体は今年8月末現在で444に及び、日本の総人口の9割弱をカバーしています。
HPIスコアを向上させるため、地球の持続可能性という観点からも、日本は更にエコロジカル・フットプリントを減らしていかなければなりません。その鍵とされているものがエネルギーの地産地消であり、これは人生の満足度にもつながります。現在、いくつもの地域で先進的な取り組みが進行中です。また、人生の満足度という点においては、弱者への配慮も必要です。例えば日本では女性が非正規の仕事に就く場合が多く、ひとり親の多くを占めるシングルマザーが正規の職につきにくいという実態があります。日本の将来を担う子どもたちへ影響を与えることでもあり、早急に取り組まなければなりません。更に、長寿国であることは望ましい一方、高齢社会への根本的な対応をすすめなければ、人生の満足度が下がってしまう可能性もあります。弊社でも直接、あるいは間接的にでも改善に関与していければと考えております。
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