去年も、いや一昨年もコロナのせいもあってか、年末年始休みの行動パターンが一様化しています。大晦日は、早い時間から、ゆったりと風呂に入り、おせちを前に赤ワインを開けます。ところがコルクが破損し、うまく栓が元に戻りません。「これは早めに飲んでしまえ」と云うことかと、勝手に判断して「紅白」を観ながら「ゆく年くる年」と続き、「朝まで生テレビ」に行きつく間、ピッチを上げて飲んでも下戸の私には飲み切ることができませんでした。
赤ワインはさておいて「そう云えば、これもあれも去年と同じだなぁ~」と思うと同時に、月日の流れの早さと惰性を自覚して「こんなにのんびりしていてよいのか」とわずかばかりの焦燥感がフッと頭を過ります。
それでも元旦から、いつも読もう読もうと思うだけで手の付かなかった、トレンディな2~300ページ程の読み易い本を2冊ばかり読み始めたのです。それもぽかぽかと暖かい陽が深く射し込む居間のソファーで、応急処置の栓で二日目を迎えたワインをたまに口にしながら、また居眠りもしながら、日がな一日読んでいました。時計など見ずとも、低い冬の陽が造り出す、陰影の傾き具合と長さで、およその時間は知れます。そのうち少し肌寒さを感じ外を眺めれば、既に陽は落ち薄い青空と建物が薄暗い影となり、その窓々には灯りがともり始めています。穏やかな正月ならではの夕暮れです。
次の日も、2冊目にとりかかり、昨日と同様に同じパターンとなります。部屋ばかりに籠ってはと、表へ出れば、10時は過ぎているのに新宿へ向かう靖国通りに車は全くありません。少し待っても白い小型トラックが一台、外苑西通りを横切っただけでした。正月と云っても不思議なくらいです。
いよいよ3日目ともなれば、箱根駅伝の復路を観て、2冊目も読み終わったころには、外は薄暗く翌日が仕事はじめもあってか、自然と徐々に仕事モードへと頭が切り替わっていくのです。それでもワインは僅かに残っています。
今年も小生のブログにアクセス頂きますよう、よろしくお願い申し上げます。
さて、コロナ禍は3年目に突入します。コロナウイルスも生き残りをかけ環境の変化に対応しながら、何度もその姿を変異させてきました。小生はコロナ禍を境に時代も大きくその姿を変えたのだと思います。ビジネスにおいてもテレワークは日常となり、その影響で東京23区の人口減が目立ってきて、他県に移り住む動きが起きています。
大晦日の紅白を観ても、出場メンバーはトリを含めて、ガラッと入れ替わり、いくらか残っている演歌でさえ、リズムを変え、ラップを取り入れるなど生き残るためには、ここで大きく変わらなければとの必死さが伝わってくるようでした。また、ライブ公演が中止の間はオンライン配信するなど芸能領域でも衝撃的な大変化が起きていることが伺い知れます。
小生ら不動産業界も今迄、経験したことがないようなことが起きています。例えば、東京都心5区(千代田、中央、港、新宿、渋谷)のオフィス平均空室率が6.35%(5%以上は供給過剰)と上昇し、平均募集賃料はここ16ヶ月連続して下落しているのです。それにも拘わらず、物件価格は海外マネーの流入が続き、高値に貼り付いています。これは何もオフィスに限らず、不動産全般に云えることですが、平成バブルと異なるのは日本中どこでもバブルとなっているわけではなく、都心を中心とした特定領域に限ることです。
このコロナ禍は時代の流れを大きく変えたばかりでなく、世界各国の金融緩和による影響をフランスの経済学者ピケティ氏らの報告書によれば、世界上位1%の超富裕層の資産は2021年、世界全体の個人資産の37.8%を占め、下位50%の資産は全体の2%であったそうです。結局のところコロナ禍は、景気刺激のための財政出動や金融緩和によって、多くのマネーが生み出され、株式市場や不動産市場に流れ込み、不平等を生み出した張本人とも云えそうです。
日経新聞元旦の一面トップは「資本主義、創り直す」と大見出しです。また、今、民主主義は、戦前の大恐慌期、戦後の冷戦期の後の第3の危機と云っています。即ち富の格差が人々の不満を高めているからだと云っているのです。この第3の危機を資本主義は混乱なく乗り越えていけるのでしょうか。
閑話休題「お金 第3の置き場」を標榜するマリオンは、これからも不動産の証券化商品において、ITやそのデータを活用したビジネスモデルに取組んでいきます。
是非、今年は注目してください。
本日のボンドランチ
大晦日、元旦、二日と楽しんだ
恒例フランス風おせち