本日もアイボンドブログをご覧いただきまして誠に有り難うございます。
毎年3月22日は世界水の日です。1992年12月に国連総会で定められました。水が極めて大切であること、きれいで安全な水を使えるようにすることの重要性について、世界中の人々と一緒に考えるための日です。この日には、世界の様々な国で水の大切さを人々に知ってもらうための会議やセミナー、展示会が開かれています。この機会に、水の問題をあらためて認識することで、自分たちに何ができるのか、考えていく必要があるでしょう。
2019年9月、世界保健機関(WHO)の「飲料水中のマイクロプラスチック」と題するレポートのなかで、水道水や飲料水中のマイクロプラスチックが、人の健康に与える影響について報告がなされました。現在の科学的知見に基づけば、物理的な作用、化学物質、そして吸着した微生物に関しては、健康に対する懸念は低いとのこと。とはいえ、WHOの評価は飲料水に限定されるもので、生態系全体への影響の評価となると、マイクロプラスチックとそれに付随する化学物質による汚染実態の現状把握は遅れています。実態把握をすすめると同時に、上流側からのライフサイクルを考えた評価に基づく予防的なアプローチも欠かせません。
フランスではプラスチックゴミ削減に向け、今年から、約30品目の果物や野菜のプラスチック包装が禁止されました。今回禁止された品目は、ネギ、ナス、トマト、リンゴ、バナナ、オレンジなどになります。フランス環境省の試算によれば、これまで果物や野菜の約37%がプラスチックで包装されていたことを踏まえると、この措置によるプラスチック類の削減量は年間10億個以上にのぼるそうです。
この措置は、一昨年に施行された循環経済法に基づいてすすめられています。同省によるプラスチックゴミ削減に向けた段階的廃止の一環です。昨年にはプラスチックのストロー、カップ、発泡スチロール製のもち帰り用の箱が禁止されました。カットフルーツや傷みやすい果物・野菜はまだプラスチック容器入りで販売できますが、プチトマト、サヤマメ、桃などは来年6月末までに、アスパラガス、きのこ、サクランボなどは再来年末までに、ラズベリー、いちごなどは2026年6月末には禁止される予定です。
今年は使い捨てペットボトル削減のため、公共の場に噴水式水飲み場が設置され、来年からはファストフード店の店内飲食用使い捨て食器も禁止されます。同省は声明で、「私たちは毎日の生活で、とてつもない量の使い捨てプラスチックを使用しています。2020年の循環経済法は、使い捨てプラスチックの使用を削減し、他の素材や再使用、再生プラスチックによる代用品の促進を目指しています。」と公表しました。
世界的な脱炭素の潮流を受け、プラスチック削減への関心は高まっています。ただ、例えば、再生プラスチックを扱うメーカーは少なく、増産が追いついていない状況です。今後、更に旺盛になる需要に応えていけるよう、複数の上場企業がスタートアップなどへ投融資をおこなう事例もありますが、まだ十分な件数には達していません。プラスチック削減や脱炭素に対して弊社でどのような関与ができるのか、できれば本業である不動産賃貸業でお役に立てるよう、検討をすすめて参ります。