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昨日は日曜日でしたので、NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」をご覧になった方もいらっしゃるかもしれませんが、歴史を遡りますと、今からちょうど837年前(1185年4月25日)、壇ノ浦の戦いにおいて、平氏は源氏によって滅亡に追い込まれています。戦場となった関門海峡は潮の流れの変化が激しく、水軍の運用に長けた平氏側が当初は優勢を保っていたものの、潮の流れが反転したところで、源義経の軍勢から猛攻撃を仕掛けられてしまいました。平家物語には、敗北を悟った平家一門の人々が、次々に海へと投身自殺を図っていく光景が描写されています。この戦いに勝利を収めた源頼朝は、鎌倉に幕府を開き、武家政権を確立させました。
関門海峡に接する下関市は、古くからクジラとの関わりが深く、今から2000年以上前(弥生時代中期頃)の遺跡から、クジラの骨でできたアワビオコシ(アワビを岩からはがすときに使う道具)が出土しています。また、壇ノ浦の戦いで、陰陽師の安倍晴明は、クジラの仲間であるイルカの群れが源氏側から平氏側に泳いでいく様子を目の当たりにし、平氏の敗北を予言したそうです。
こちらもクジラですが、動物ではありません。巨大な運用資産を保有し、ひとたび動けば金融市場に大きな波を発生させることから、クジラと呼ばれる機関投資家がいます。その代表格である年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の運用資産は世界最大規模となる約200兆円で、国内外の市場関係者から関心を集めてきました。そのGPIFに比べれば規模は小さいものの、市場に新たなクジラが誕生しています。世界レベルの研究を支援するため、現政権が肝煎りで設立した大学ファンドです。その目標資産規模(10兆円)に加え、国内ファンドとしては高い目標利回り(4.38%)から、市場の関心は高まっています
10兆円の原資は1.1兆円の政府出資と8.9兆円の財政投融資で調達します。ファンドは国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)に設置され、今年度中に資金が投入される見込みです。ファンドの運用益は、文部科学省が認定する国際卓越研究大学や優秀な博士課程学生への支援に年間3000億円程度を上限に拠出します。先月、既に一部の資産運用を開始しました。
市場関係者の注目を集めたのは4.38%という目標利回りです。大学や学生への支援で毎年拠出する3%と、長期物価上昇率見通しの1.38%を合計した数値になりますが、GPIFの過去20年間(2001~2020年度)の実績を0.74%上回っています。目標達成のためには、相応の割合を利回りの高い海外資産などに振り向けなければなりません。また、高利回りが期待できるオルタナティブ(代替)資産への投資が見込まれ、JSTは先月初旬、未上場企業の株式などに投資するファンドの選定を担うゲートキーパーの募集を開始しました。オルタナティブ資産の利回りは魅力的な水準であり、インフラファンドや不動産ファンドへの投資も段階的にすすむでしょう。現況では弊社で大学ファンドの要求に応えられるような商品を提供することは難しいのですが、将来、様々な商品を開発していくなかで、お役に立てる場面がやってくるかもしれません。