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5月30日は、ご(5)み(3)ゼロ(0)の語呂合わせから、「ごみゼロの日」です。環境省では、6月5日の「環境の日」、6月8日の「世界海洋デー」も含んだ今年5月28日から6月12日の期間を「春の海ごみゼロウィーク」、9月17日の「World Cleanup Day」から9月25日までの期間を「秋の海ごみゼロウィーク」としました。この期間中、全国一斉清掃キャンペーンが実施されます。海に流出しているごみの約8割は陸上のものとされ、海に流出してしまったごみを回収することは容易ではありません。この取り組みは海洋ごみ問題の周知啓発とともに、ごみの流出を少しでも防ぐことを目的としています。昨年は全国約440ヶ所で15万人以上がキャンペーンに参加しました。環境省のウェブサイトでは、全国各地で実施される清掃活動の情報やコロナ禍における清掃活動時の留意点をまとめたガイドラインを掲載しています。
こちらも関連するお話になりますが、近年、投資の世界では自然資本や生物多様性が注目されているところです。自然資本とは、あらゆる生物、土壌、鉱物など、供給に限りのある資源を指しています。自然の資源の価値には、澄んだ空気、きれいな水、食料、生物多様性、洪水防止、レクリエーションなどのサービスが含まれ、世界経済フォーラムの試算によると、約44兆ドルの経済価値が自然の資源に依存しており、これは世界のGDPの過半に達するそうです。
ただ、自然資本には経済的視点だけで向き合うべきではありません。気候変動対策の観点で自然資本をみていくことも必要でしょう。自然資本の多くの要素、例えば林業、泥炭湿原、マングローブ、コンブ、塩性湿地、土壌などは、大気から二酸化炭素を吸収する役割を果たしています。生物多様性の損失は、SDGsの多くの目標において、その進展を阻害するものです。
生物多様性は新しいテーマではないものの、これまで経済的な指標のみが着目されてきました。しかし、1994年に国連生物多様性条約の第1回締約国会議が開催され、これをきっかけに、「生物多様性を保全するための戦略計画2011-2020」など、注目すべき取り組みが実施されています。この戦略計画では、2020年までに達成すべき5つの戦略的なゴールのもと、20の目標が設定されました。この目標には、生物多様性に有害なインセンティブの排除、自然生息地の損失率の半減、劣化した生態系の15%回復などが含まれていましたが、国連の地球規模生物多様性概況報告書は、過去10年間の進捗状況を厳しく評価し、どの目標も完全には達成されていないとしています。今後の10年については、サステナブル・ファイナンスの成長によって民間資本が生物多様性関連プロジェクトに振り向けられるルートが増え、また、生物多様性に与える影響を理解しようとする企業の増加も予想され、投資家もこの問題に真剣に取り組むようになってきました。
投資家はもはや自然資本を無視することはできません。関連する財務リスクも非財務リスクも大きくなってきています。持続可能性と生物多様性を支援する役割を高めていかざるを得ないでしょう。
コーポレートガバナンス・コードの改訂から間もなく1年になろうとしています。昨年の改訂では、ESGをはじめとするサステナビリティは重要な経営課題であり、それに対して積極的・能動的な対応を一層すすめていくことが重要であるという考え方が示されました。弊社でも上場企業として相応しい行動をとって参ります。