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正午を告げるサイレンが敷地内に鳴り響き、七生報國(七たび生まれ変わっても、朝敵を滅ぼし、国に報いる。)と記された日の丸の鉢巻をした男が、太陽の光を浴びて光る日本刀を右手に掲げ、バルコニーに立っていた。
今からちょうど49年前の1970年11月25日、自衛隊市ヶ谷駐屯地にいた大勢の自衛官の前で、ノーベル文学賞候補にもなった作家の三島由紀夫(本名:平岡公威)は、憲法改正のための自衛隊のクーデターを呼びかけた後、割腹自殺に至っています。享年45歳。三島の生家は、弊社からほど近い、現在の東京都新宿区四谷4丁目22番にあったとか。江戸時代、徳川御三卿のひとつである田安徳川家(ほか一橋家、清水家)の武家屋敷があった田安通り沿いのようです。1949年に出版された『仮面の告白』のなかでは、「かうして私が生れたのは、土地柄のあまりよくない町の一角にある古い借家だつた。こけおどかしの鉄の門や前庭や場末の礼拝堂ほどに広い洋間などのある、坂の上から見ると二階建でありながら坂の下から見ると三階建の、燻んだ暗い感じのする、何か錯雑とした容子の威丈高な家だつた。」と書かれています。私は最近このことを知ったのですが、勤め先からも近く、場所の特定ができればと考えているところです。
三島の生きた時代には、はしたないもの、怖いものとされ、子どものときには関わらない方がよいとの認識が強かった金融やお金の話ですが、近年、単に預金していれば事足りてしまう時代は過ぎ去り、生活をより豊かにしようとすれば、子どもの頃から正しい金融知識を身に着けていかなければなりません。とはいえ、正しいお金のあり方について教えられる人材が教育現場にそれほどいるわけでもなく、少・中学校ではお金に関する授業はほとんどなされていないというのが実情です。内容も投資や用語解説など応用編から入りがちで、途中で投げ出してしまう生徒も少なくありません。また、自分たちがリスクに囲まれていることも教えていないでしょう。米国などは大学卒業とともに教育ローンを抱えます。確定拠出年金も普及し、自助や自己責任の考え方が一般的です。普段からリスクに向き合い、意思決定することでリテラシーも身につきます。知識だけ積み重ねても、実際に体験しないと理解できません。身近なところでは親が見本になる必要があります。家庭でもお金について話すことが大切で、実際に親子向けセミナーにいってみると、親の方が必死になって講義を受けているようです。親が投資にどう向き合うのか。子どもにとっては親に勝る教育はありません。
日本では終身雇用や年功序列といった大企業型の働き方が変わりつつあります。今の子どもたちが大人になる頃には、働き方も大きく変わっているはずです。これまでのような安定的な働き方ではなく、転職が前提になるかもしれません。それに伴って資産選択の考え方も変化させていくことが求められます。資産運用を考えるうえでは、働き方も十分に教えていくことが大切でしょう。
一方で、金融知識は家庭ごとに格差があるため、学校の教員も専門知識を身に着けていかなければなりません。しかしながら、通常の授業が手一杯のなかでは極めて難しく、教える側を支えるのは、やはり金融関係者など投資に明るい人材になります。外部の人材と学校の教員が連携して取り組む必要があり、明後日27日に会社設立33年を迎える弊社も、いつか地域の小・中学校で生徒たちと向き合える機会があればと思っています。