新年明けましておめでとうございます。
今年最初のアイボンドブログをご覧いただきまして誠に有り難うございます。
皆様はこの年末年始に、今年一年の目標を立てておりますでしょうか。2020年は東京オリンピック・パラリンピックが開催され、日本にとっても特別な年になります。例年特に目標を立てていないという方でも、今年は考えてみてもよいのかもしれません。一方で、昨年一年を振り返り、総決算をしておく必要もありそうです。
戦後政治の総決算を掲げ、国鉄、電電公社、専売公社の分割・民営化実現などの行財政改革や、強固な日米関係構築に指導力を発揮するなど、内政・外交の両面で大きな実績を残した政治家である中曽根康弘氏が昨年11月29日、101歳で亡くなりました。衆議院議員在職56年、安倍、佐藤、吉田、小泉内閣に次ぐ戦後5番目の長期政権(1806日)を築いています。第2次岸改造内閣の科学技術庁長官として初入閣を果たした1959年の秋(9月26日)には伊勢湾台風が日本列島に上陸し、和歌山県、奈良県、三重県、愛知県、岐阜県を中心に死者5000人を超える未曾有の大災害が発生しています。中曽根氏は台風に対する科学的対策樹立の緊急性から、上陸4日後となる9月30日には学識経験者らを集めた会合をおこないました。以降、台風など自然災害の研究、予報・警報から国際協力体制など広範囲な科学的対策の検討を重ね、1961年11月、国民保護の防災に関する初の法律となる災害対策基本法を成立させています。中曽根氏は当時、「日本の災害というものは、現在の国土、国富の損失という面から、一番大きな要素であり、政治が相当力を入れなければならぬ部面であると思います。この点で、今まで、ややもすればその力が足りなかったということを我々も反省しておるのでございます。今度、これだけの災害が起き、科学技術庁と致しましても、従来のような概念でまた見逃してはいけないということを感じまして、各方面にいろいろ警告を発したりして努力はして参りましたが、それでも、時間が経つと、これまた、のど元過ぎて熱さを忘る、災害は忘れられたころ来るということを繰り返す恐れがあります。」と述べました。
昨秋の台風による被害は記憶に新しいところですが、日本では有史以来、洪水が発生するたびに人々を苦しめてきました。文献に残る最も古い記録では、858年に武蔵国において大規模な水害があったことが平安時代に編纂された『日本三大実録』によって伝えられています。中世・近世に入ってからはその記録は更に数を増やし、例えば1742年には、現在の長野県にある千曲川・犀川(さいがわ)流域で発生し、2800人以上が命を落としたとされる「戌(いぬ)の満水」をはじめ、中世から近現代にいたるまで実に多くの洪水による水害が全国各地で記録されています。戦国武将の武田信玄も河川の水害に頭を悩ませ、たびたび氾濫を起こしては領民や田畑を奪う領内の釜無川・笛吹川の急流に「信玄堤」という堤防を築いて治水に励んだとか。日本の災害史は洪水との戦いの記録であったといっても過言ではありません。弊社も全国各地に賃貸マンションをはじめとする数多くの不動産を所有していますので、各自治体が発行しているハザードマップをよく確認し、物件を借りていただいている皆様への周知にも努めて参ります。