2020.01.14社員ブログ

緑色の棒状の

本日もアイボンドブログをご覧いただきまして誠に有り難うございます。

昨日は成人の日。皆様の身近に新成人はいらっしゃいますでしょうか。2022年4月1日には、成年年齢を18歳に引き下げることを内容とする「民法の一部を改正する法律」が施行される予定です。2022年4月1日時点で18歳以上20歳未満の人(2002年4月2日~2004年4月1日生まれ)はその日に成年に達することになります。とはいえ、成人式のあり方を定めた法律はなく、受験シーズンと重なることへの配慮などから、20歳を対象とした式典の継続を表明している自治体も少なくありません。いずれにしましても、新成人となる皆様が今まで以上に様々な社会問題に対して関心を抱いていただければ、日本はよりよい方向にすすんでいくのではないでしょうか。

プラスチックごみの海洋投棄が世界各地で問題となっています。このまま対策を講じない場合、2050年には魚の量とプラスチックごみの量が同じになり、海洋プラスチック汚染は気候変動と並ぶ人類への脅威として認識されつつあります。環境省の資料によると、日本のプラスチックごみの海洋への流出量は世界30位(首位の中国の1.5%程度)で、日本のみが努力して解決できる問題ではありません。プラスチックごみの流出はアジア諸国が上位を占めていますが、世界全体の流出量を減らすべく、日本がリーダーシップを発揮して環境技術の開発や対策の推進をおこなっていくことも必要です。

プラスチックごみは陸上から様々な経路を通じて海へと流出し、紫外線などによって5mm以下の小片に細分化され、マイクロプラスチックとなります。これを魚や貝、海鳥が食べてしまい、食物連鎖のなかで最終的には人体にも取り込まれてしまいます。人体への影響はまだ明らかになってはいませんが、海洋生物への蓄積は報告されており、生態系への影響が懸念されているところです。

ある有識者が環境系ベンチャー企業の協力を得て、浮遊する(水より比重の軽い)プラスチックに限ってではありますが、神奈川県川崎市で調査を実施しました。多摩川河口付近など14ヶ所で採取されたプラスチック片を色、成分、物性などで分類してみると、最も多かったのは緑色の棒状の破片だったとか。これを分析したところ、人工芝であることがわかりました。人工芝はゴルフ場やサッカー場といったスポーツ施設、公園、住宅、商業施設、校庭など屋外の様々な施設で大量に使用され、多くの場所では人々が踏みしめる場所に敷設されています。通行やスポーツなどによって人工芝がちぎれ、その破片が降雨などで流され、河川や海に流出していると考えられます。その総量は人工芝の敷設されているエリアを鑑みるに膨大な量であることは想像に難くありません。マイクロプラスチックは、日々の生活のなかで意図せず流出したものが多く含まれています。ごみの投げ捨ては当然ながら許されるものではありませんが、こういったことにも問題意識を高めて行動していけば、地球環境の改善につながることは間違いないでしょう。

さて、近年、投資の世界でも顕著になってきた傾向として、機関投資家に比べれば規模はまだ小さいものの、個人投資家の市場でもESGの概念が急速に広まりつつあります。社会の持続可能性に関心をもつと同時に、投資においても環境や社会を考慮することが大切だと考える個人投資家が増加しています。意味のあるお金の流れを意識した個人は社会課題の解決やSDGsに注目しており、弊社もそれに応えられるよう、近い将来、例えば、病院や介護施設を対象物件としたソーシャルボンドを検討中です。新成人の皆様にも関心を抱いてもらえる商品づくりに努めて参ります。

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