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3月に入り、皆様のお勤め先でも、4月からの新入社員の受け入れ準備が、本格的にはじまっているところも少なくないのではないでしょうか。新しい仲間の登場によって職場にも新鮮さが増し、新しい風が吹き込んでくるに違いありません。
現在の日本経済は人口減少と産業構造の変化を背景に、人手不足が大きな課題です。一方で、就業希望の高まりから、女性と高齢者の就業者が増加しています。女性や高齢者が働きやすい職場環境を整備することは、就業希望を実現し、就業後も安心して働き続けられるようにするために不可欠であるとともに、人手不足を緩和し、社会全体を活性化するためにも重要です。また、女性や高齢者以外の労働者にとっても、働きやすい職場環境を整備することは、よりよい職業生活を送るための前提となるものであり、働きがいをもち、いきいきとした職業生活を送るうえでの基盤となるものであるといえます。加えて、社会全体やそれぞれの職場で働きやすい環境を実現することは、政府が推進している働き方改革が目指すもののひとつであり、働き方改革実行計画においては、「我が国は欧州諸国と比較して労働時間が長く、この20年間フルタイム労働者の労働時間はほぼ横ばいである。仕事と子育てや介護を無理なく両立させるためには、長時間労働を是正しなければならない。働く方の健康の確保を図ることを大前提に、それに加え、マンアワー当たりの生産性を上げつつ、ワーク・ライフ・バランスを改善し、女性や高齢者が働きやすい社会に変えていく」と、現状認識や目指すべき方向性が示されています。このように、働きやすさは、働き方を考えるうえで重要な概念である一方、個々の働く人が、それぞれの主観的な価値判断に基づいて日常的に用いている概念でもあり、様々な要因で規定されるものであるといえそうです。
ここで、働きやすさの向上を目指す取り組みを実施している神奈川県横浜市の向洋電機土木株式会社(建設業)の事例をご紹介します。同社は従業員40名程度の屋内外の電機設備設計や施工をおこなう企業です。これまでにもテレワーク先駆者百選の総務大臣賞や新・ダイバーシティ経営企業100選を受賞するなど、先駆的な取り組みで注目されています。長時間労働になりがちな建設業界において、様々な工夫によって時間外労働の削減や能力開発機会の確保などに取り組むとともに、受注増や採用応募者数の増加につなげてきました。更に、人手不足で経営が厳しい状況においても、助成金の活用やテレワークを通じた経費削減、従来の契約の見直しなどを地道に繰り返し、無駄を排除することの徹底によってコスト削減や売上増加に結びつけています。ただ、人事担当者によれば、「人によって、年齢によって、家族によって、その人の人生観によって、ワークとライフのバランス比率は異なり、社員の数だけニーズがある。この施策をやったから全て解決ということにはならない」とのこと。会社が求めている成果と従業員が求めている制度に乖離があると、制度は形骸化・陳腐化し、一部の者だけに有利となってしまう可能性があります。働きたい会社、働き続けたい会社であり続けるためには、双方の認識の摺り合わせが重要であることはいうまでもありません。
弊社は一昨年9月13日の株式上場から、間もなく1年半を迎えようとしています。上場によって学生への認知度がどの程度上がっているかはわかりませんが、単にそれだけではなく、働きやすさでも選ばれる企業を目指して参ります。